卵黄の色は濃いほうが栄養価が高いんでしょ?!

Posted at 08/04/23

 「卵黄の色は濃いほうが栄養価が高いんでしょ?!」とお客様からのご質問。残念ながら答えはNO!です。 
 卵黄の栄養価と卵黄の色は相関関係はありません。卵黄の色と相関関係にあるのは「どんな餌をこの親鶏が食べていたか」なのです。

卵黄の色は濃いほうが栄養価が高いとは限りません

 パブリカの粉末や唐辛子など赤色の色素を多く与えれば、オレンジ色に。精米など色素が無色に近いものを多く与えれば白っぽい卵黄に、約10日間でいとも簡単に変えることができます。

 なぜ10日間かというと、卵黄が鶏の体内で熟成をし卵となって産卵されるまでが10日間。
 この熟成する期間に餌の影響を受けますので、その間食べた餌の種類が卵黄色として反映されるのです。

 人は見た目が9割という本が出版されていますが、卵についても、割った時にオレンジ色のほうが、淡い黄色よりは見た目にも濃くて栄養価が高そうに見えますよね。
 でもちょっと待ってください。卵から孵化して鶏が生まれるのですから、雛が生まれ出るまで卵黄の色は、誰の目に触れるわけでもなく、誰かの助けを借りなければ、卵の中で雛の形成ができないわけでもありません。そもそも鶏はキジ科の鳥類。きじの卵は濃いオレンジ色ではありません。
 また、特定の栄養素も突出して必要なはずも無く、逆に孵化するための栄養素をバランスよく含んでいるからこそ、丈夫な雛が生まれ出るのではないでしょうか。

 ちなみに当農場では、夏の間も食欲増進のための唐辛子の給餌を行っていませんし、パブリカ粉末も給餌しませんので、年間を通して「レモンイエローの卵黄色」となっています。
 このレモンイエロー色が出現するのも、山野草などの緑餌の影響が強いので、季節によって与える草の種類が変化すると、卵黄の色もそれに伴って変化していき、それから季節感を読み取ってくださるお客様もいらっしゃいます。

卵殻色は季節で変化


 ただ卵の殻、卵殻だけは話が別です。卵殻の色によっては、親鶏が棲む環境に適合していないと最悪の場合子孫を残せない可能性があるため、適宜色を変えて産んでいます。

 例えば、当農場の鶏の場合は冬の日の光が弱く暗い日が多い季節は濃い色の茶色。春から夏にかけては日の光が強く明るいため、殻の色も薄茶色に産んでいます。これは、孵化するまでの21日間、天敵から卵を守るという目的のために、保護色を上手に使ってるものと思います。

 長い間自然の中で常に生死を意識しながら、精一杯生きてきた鶏のDNAがこういった行動をとらせるのでしょう。

 いままでも、そしてこれからも、「お宅の卵色悪いわよ!」とか「お宅の鶏具合悪いんじゃないの!」といったクレームに対し、「人も卵も見た目で判断しては駄目」という言葉を飲み込んで、これまで書いたことを十分説明していきたいと考えています。

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