いまどきの給食

Posted at 11/12/04

先日いまどきの給食をご馳走になった。
一緒に食事をさせていただいたのは、地元「さんぽく北小学校3年生」の皆さん。
ご縁があって、総合的な学習の時間に、「山北地区の名人をさがせ」というテーマで、当店を選んでいただいた。

事前に別の日程で農場の見学と卵作りについての勉強を済ませ、当店の卵がゆで卵としてメニューに載った日に、改めて教室でのお話と、食事を一緒にというお誘いを受けたもの。

給食を食べるのは、中学校卒業以来三十数年ぶり。どんなものをどんなふうに食べているのか興味津々で出掛けた。

まず、給食を食べる前の4時間目を、卵に関する授業として割り当ててもらっていたので、鶏の餌を準備し、「目で見て、指で触って、鼻で匂いを確認してもらう」ことを実践。
子供たちの目が輝きだして、卵に関する話もそこそこに、約束していた実験、「卵黄を指でつまんで持ち上げてみよう」をやった。日ごろは、ほとんどの児童が経験したことのない、ヌルヌルとした触感と柔らかく壊れやすいものを注意深く持ち上げるという動作は、今の子供たちには難しいらしく、中学生でもうまくできない子がいる。

だからこそ、子供たちは歓声を上げながら夢中になって実験に取り組み、うまくいった時の満面の笑みは、こちらが元気をもらった気がした。

あっという間の45分間が過ぎ、いよいよ給食の時間。
これが本日の献立です。
こどもたちの給食の量

メインは、ジャージャー麺。給食用のためさすがに唐辛子や豆板醤といった辛味は無し。
それから、だいがく芋にゆで卵、パック入りの牛乳で全4種類。

最初に見たときには、少なすぎる気がして、思わず子供たち数人に「これでお腹いっぱいになる?」と聞いたほど。自分たちの時にはどうだったのか思い出せないが、もう少し量が多かったのでは?と感じる。

それと、昔はあった「生野菜」などは、O-157が問題になったあたりから姿を消して、野菜には熱を通したものを使う献立になってしまうので、献立の彩りなどもどこか寂しい。
ちなみに、私に用意された大人用の量はこんなふう。
大人用の給食の量

子供たちと机を並べて「いただきます」。
定番だった先割れスプーンの姿はなく、今回は麺の日なので「お箸」。どんな食事をするのかとあたりを見渡しながら、いろいろと観察。
思った以上にお箸を上手に使っている子が多いのにちょっと安心。でもまだ小学3年生ということもあってか、最初から麺の容器を持って食べる子は皆無。まあ、これはしょうがないか。
面の量が大分少なくなってくると、器を持ち始めてスープも完食する子供たちがちらほら。

その一方で、なかなか食べ進まない子もポツポツ。決して好き嫌いをしているのではなく、これは明らかに時間が無いだけ。
大人になると、食事は急がずゆっくり食べましょうなどと、人間ドックの栄養士さんに指導されるのに、学校ではそれが許されない状況も、可哀想な気がする。

「食育」という国の掛け声はいいけれど、実際の学校の現場では、理想と現実の間にかなりのギャップが生じていると思うし、担当の栄養士さんや先生方も悩みは多いことは想像に難くない。もちろん地域によってその取り組みなど、差はかなりあるのは承知している。

私が小学生のころの給食の果たす役割と、今の給食の果たす役割は全く異質であるはず。なのになぜ私が、今の給食に食の豊かさやワクワク感、充実感、羨望などを十分感じ得なかったのだろう。

食育は家庭が中心であるけれど、家族構成の変化など、十分な対応を期待するのは荷が重く、学校現場がそれを全てカバーできるかというと、時間も人も余裕はない。

食を提供する側にいる自分自身ができること、もっと深く考え行動する必要があること、を痛感。
この機会を与えてくれた皆さんに感謝。

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